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空室問題に悩む大家さんに朗報です。
多くの大家さんは、空室問題に悩んでおり、いかにして空室をなくすか、入居率を維持するかが大きな課題です。
空室対策として・・賃貸物件で人気のある設備を、リフォームし取り入れたり、
ちなみに、インターネット無料、入口のオートロック、浴室換気乾燥機、TVモニター付きインターホン、宅配BOX、24時間利用可能ゴミ置き場は、人気がありますが、
私が経営する大田区の特区民泊物件は、これら全ての設備が備わっています。
その他にも、賃料を下げたり、敷金礼金をなくしたり、フリーレント期間を設けたり、仲介手数料を大家さん側で負担したり、大家さんは、あの手この手で空室対策を行います。
さらに、不動産仲介会社に対しても、自分の物件を、より積極的に紹介してもらうよう、あれこれ気を使います。
私もそうですが・・大家さん業は、本当に、大変です。
そんな大家さんにとって、朗報が。
今後、強力な武器となること間違いなしです。
それは、ハイブリッド賃貸経営です。
これまでは、入居者の金銭面で負担を減らしたり、リフォームで物件の魅力をアップさせたりと、大家さんにとっては、空室対策は、どれも負担が大きく、厳しいものでした。
しかし・・このハイブリッド賃貸経営は、これまでの空室対策とは全く異なるものです。
簡単に言いますと、物件の貸し方を、通常の賃貸にこだわらず、全く新たな貸し方を、複数導入するという方法です。
この方法であれば、大家さんの金銭面での負担は少ないですし、さらには、条件さえクリアすれば、賃料収入を大きくアップさせることも可能です。
大家さんにとっては、この方法を知っているか、そして実践しているか、そしてそういったことを相談できる不動産会社と取引しているかが、勝ち組大家になれるか否かに、今後、大きくかかわってきます。
ハイブリッド的な賃貸経営とは・・その概要をお話します。
ハイブリッド賃貸経営とは、
(1)従来の賃貸に、
(2)今話題の民泊新法に基づく合法的民泊、
(3)これまでもありましたが、あまり話題になっていないマンスリー賃貸、
(4)そして民泊、マンスリー賃貸で必要となり導入した家具家電を、そのまま部屋に付けて、それがあることで差別化し、高い賃料で貸す家具家電付き賃貸
(3)(4)について補足です。
(3)ですが、以前はマンスリー賃貸のほとんどはビジネスユース、転勤、研修、出張といった目的の利用でしたが、今は、入院、介護、一時帰省、通学、旅行、リフォーム中の仮の住まい、趣味スペース、受験シーズンの滞在先、海外からの一時帰国とか・・マンスリーの用途はいろいろあり、利用は増えております。
(4)ですが、民泊レベルまで家具家電を充実させ、部屋を作り込んだ場合、そこまでの部屋は、マンスリーではないため、かなりの差別化物件となり、おそらく人気が出ると思います。
これら4つの複数の方法を、状況に応じて組み合わせて貸すことを、ハイブリッド賃貸経営と言います。
よくマンスリー賃貸は、旅館業法上違法では?と質問を受けますが・・
マンスリー賃貸は、1か月以上の期間になりますので、その物件は、「生活の本拠」とみなされ、旅館業法の適用は受けず、合法的なものです。
なお、ここでは触れていませんが、ウィークリー賃貸も、旅館業法に違反することなく行う方法があります。
東京都衛生局の見解でもありますが、リネンサービスを業者へ外注することで行わないという方法です。
つまり、ベッドは用意しても、布団は備え付けない、布団は別途料金を徴収し、レンタル扱いとします。
ただ・・運用が複雑化することと、より合法的にクリーンに行うために、ハイブリッド賃貸経営からは、ウィークリー賃貸を、はずしております。
ハイブリッド賃貸経営でキーとなる民泊について、いかに物件を所有する大家さんにとって、これが大きな武器となるのかを、次のパート以降で説明します。
民泊の厳しい現状について
まず、民泊の厳しい現状についてお話しておきます。
民泊は、以前は、稼げました。
2015年頃は、部屋がボロボロでも、寝ることさえできれば、宿泊単価がいくら高くても、すぐに予約が入りました。
当時は、極端に競合物件が少なかったために、簡単に稼げたわけです。
違法とわかっていながら・・続々とヤミ民泊に、多くの方が参入しました。
その結果・・物件が増えすぎ競争が激化、供給過多、完全な飽和状態となり、宿泊料金は下がり、空室続きで稼働率も悪化・・最近は、民泊市場からの撤退者も増えてきて、正直、かなり厳しい状況です。
私が大田区で運営している特区民泊の物件のある地域(駅ベースのAirbnbのデータ)でも、民泊物件の総リスティング数のうち、停止中(おそらく撤退)の数が、掲載中(稼働している)の数を、わずかに上回っています。
驚くべきことに、撤退の数の方が多いのです。
ただ・・それでも、新規参入者はいます。不思議ですが・・
撤退者の数も増えつつありますが、それでも、絶対的に民泊物件の数が多過ぎ、競争が激しく、厳しい状況に、今でも変わりありません。
民泊の今後、民泊新法について
ここにきて、民泊に大きな動きが。
そうです、マスコミでも大きく取り上げられている民泊新法です。
今話題の・・民泊新法をご存知ですか?
来年(2018年)6月に施行される法律で、正式には、住宅宿泊事業法と言います。
この民泊新法には、大きな特徴が、いくつかあります。
・180日ルール(条例でさらに厳しくなる可能性あり)
・家主不在型は運営を管理会社に委託
・転貸の承諾書
この3つの規定は、既存の民泊、特に無許可のヤミ民泊にとって、大きなダメージ。
多くの場合は、撤退も考える必要があると思います。
それほど、この民泊新法は、影響が大きいのです。
特に180日ルールは、厳しい条件です。
民泊新法では、年間の宿泊日数を180日以下に制限され、
さらに地域の実情に応じて、都道府県などが条例で、この日数を少なくできます。
この180日ルールでは、ほとんどの民泊物件は、利益がでません。
多くの民泊物件、いわゆるヤミ民泊物件は、物件を他人から借り、転貸する転貸物件ですが、
家賃(1か月)を払い、代行手数料(売上の10%~20%)を払い、その他wifi手数料、清掃料(宿泊者負担もありますが)、光熱費、消耗品費・・多大なコストがかかります。
特に、家賃1か月分と、家主不在型で必要となる代行手数料(20%~30%)の負担は大きく、どう考えても稼働率50%では利益はでません。
私も、この180日ルールを、いかにしてクリアするか、本当に考えましたが・・結論は、極めて厳しいです。
競合物件の極端に少ない収容人数の大きな物件で、1泊の利益を極大化させる民泊もありますが・・
そういった物件は、当然家賃も高いので、その分厳しいです。
仮に利益がでたとしても、稼働率50%では、やはり利益の激減は間違いないです。
稼働率が半分になるのだから、当然ですよね。
また、180日の間に、1年分を稼ぐ沖縄のリゾート地区(海辺の限られた地域限定の話で、市街地では厳しいですが)の民泊も稀なケースですがあります。
ただ・・この沖縄リゾート地区であっても、180日ルールよりさらに厳しく条例で日数を減らされると、ビジネスとして成り立たないはず、厳しいです。
あと、いわゆる民泊許可物件は、家賃が、通常の2,3割増しのケースが多いので、そういった物件でヤミ民泊を行っている場合は、さらに厳しくなります。
何とかしようと、残りの期間185日を民泊以外の方法で運用する、いわゆる二毛作民泊を考えている業者も多いです。
そこに期待されている方も多いです。
民泊にとっての繁忙期、桜の時期の3月と4月、夏休みの7月と8月、紅葉の時期の10月と11月の半年を民泊で運用し、残りをマンスリー賃貸で運用しようと。
ですが・・現実的には、かなり厳しいと考えます。
比較的短期間で利用者が見つかる民泊と異なる、マンスリー賃貸の利用者は、部屋が空いたからと言って、すぐには見つからず、運用は難しいと思います。
むしろ、マンスリー賃貸が主で、民泊を補助的に活用すべきなのかも。
仮にタイミングよくマンスリー賃貸の利用者が見つかったとしても、民泊ほど利益のでないマンスリー(賃料、通常のよくて1.5~2倍?)では、うまくいって、なんとか赤字を出さないで済ませることができるかな・・という程度かと思います。
ましてや、新宿区の条例案のように、金曜日~日曜日の3日間しか民泊営業できないとなると、そもそも、マンスリーで貸すこともできないわけですし、今後、どうなるのか本当に厳しいです。
さらに、さらに、厳しい条件をここでご紹介します。
民泊物件が賃借物件である場合、転貸型の民泊についてです。
この場合、オーナーの転貸の承諾書が必要になります。
さらに、住宅が区分所有建物である場合は、規約の写し、規約に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がないことを確認したことを証明する書類が必要となります。
民泊のデータを見る限り、戸建てと比べると、マンションの1室で行っているケースは圧倒的に多いです。
そのマンションの民泊物件の多くは、無許可のケース(黙認も含め)がほとんどで、こういった物件は、民泊新法では、営業できなくなります。
ここで念のため補足しておきますが・・
マンションの民泊物件の場合、転貸ではなく、自分で所有している場合もあると思いますが、マンションの管理組合が、民泊を認めていない場合は、民泊を行うことができません。
この場合、物件を所有する大家さんでも、民泊を行うことができませんので、マンションの規約をよ~くチェックしてみてください。
民泊を活用することで、あなたは勝ち組大家さんになれます!
既存のヤミ民泊、転貸型の民泊のほとんどは、採算が合わない、民泊市場からの撤退も考える必要があります。
実は、このように極めて厳しい状況であればあるほど、物件を所有する大家さんにとっては有利です。
採算に合わないと判断された既存の民泊物件が、民泊市場から撤退します。
その結果、競合物件が減り、需給関係が引き締まり、供給者にとっては、民泊市場の魅力は高まります。
今後、続々と大手企業も民泊に参入してくるはずなので、状況は厳しいことに変わりありませんが・・
ただ、これまでのように、少しでも空室をうめるために、1泊の料金を下げまくり、結果、値崩れが起き・・わけがわからない、無秩序状態になるようなことはないかと思います。
適正な競争が行われるように思います。
なぜ、大家さんが有利なのか、わかりますか?
大家さんは、物件を所有しておりますので、毎月家賃を払う必要はありません。
この家賃を支払う必要がないという、コストメリットが、民泊にとって重要となります。
家主不在型になるので、運営管理を委託する必要があり、その分の手数料コストは発生しますが、毎月の家賃を支払う必要がない、大家さんにとっては、民泊は武器になります。
民泊を物件の空室対策に、さらには、空室に関係なく利回りアップを狙い、積極的に民泊運用することは、検討する価値は大きいですし、面白いと思います。
これからの大家さんは、従来の賃貸だけでなく、民泊、マンスリー賃貸、家具家電付きの賃貸を、従来の賃貸業に取り入れるべきです。
賃貸物件の空室時に一時的に民泊で空室をうめるような、賃貸業の補助的な役割で民泊を考えることも、
また、さらなる収益アップを狙い、民泊で貸したり、
民泊にさらにマンスリー賃貸を加えたり、
民泊やマンスリー賃貸で導入した各家電を使って、差別化賃貸したり・・アイディア次第で、運用方法はいろいろ。
大家さんは、この民泊新法を、大きなビジネスチャンスとしてとらえるべきです。
民泊を、上手に取り入れられるか否かは、あなたが、勝ち組大家になれるか否かに大きくかかわってきます。
大家さんは、今後どうすればいいのか・・
民泊をはじめとして・・大家さんを取り巻く環境が、大きく変わろうとしています。
物件の運用方法は、アイディア次第で、いろいろあることは、既にお話ししました。
民泊といかに、向き合うかは、大家さんにとり、極めて重要です。
私も、経営するいくつかの賃貸物件で、既に、ハイブリッド賃貸経営を、導入済みですが、今後は、もっともっと積極的に取り入れ、賃料収入を増やしたいと考えております。
私が経営する賃貸物件でも・・
海辺の隠れ家ガレージハウスでは、全てを賃貸するのではなく、自分でも人生を楽しむために一部使っているのですが、その部屋を、自分で使わないときには民泊で貸し出そうと思います。
それも単なる民泊としてではなく、バケーションレンタル的な物件として、少し高い賃料で貸し出そうと企んでおります。
RCマンションも、現在、満室ですが・・
今後は、民泊、マンスリー賃貸、家具家電付き賃貸を、積極的に取り入れ、利回りアップを狙おうと思います。
あと、自宅も一部屋、個室として貸し出そうと、こちらは、外国人との国際交流も楽しめたらいいなと。
民泊で使わないときには、自分でも使っている大田区の特区民泊物件も、さらに利益アップのためにある施策を検討しています。
やるべきことは山積みです。
現状の枠の中だけで、空室問題を、ただただ悩んでいることは、もうやめるべきです。
こういった激動の時代、将来に向けて大家さんは、何をどうすればいいのか、実体験ベースでお話ししていきたいと思います。
今回は、ここで終えます。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。